
作詞・作曲
作詞・作曲:ライダ・パイア(Laida Paia)
(長年、ジョン・K・アルメイダ/John K. Almeida 作として紹介・演奏されてきました)
ハワイ音楽界の伝説的な視覚障害のミュージシャン、ジョン・K・アルメイダのトリオの一員であった女性、ライダ・パイア(Laida Paia, Mrs.James Keoni Willis)によって作詞・作曲されたメレです。長年にわたりアルメイダの作品として広く知られ楽譜などにも記載されてきましたが、アルメイダ自身も演奏の際、ライダ・パイアの家族が客席にいるときなどには彼女の功績をたたえ、正しい作者として紹介していたという証言が残されています。
成立年代は1930年代から1940年代頃と考えられており、ジェノア・ケアヴェをはじめとする数多くのアーティストによってレコーディングされ、今なおフラの世界で親しまれているアウアナ(現代フラ)の古典的名曲です。
この歌をひと言でいうと
「葉のようなバラ(loke lau)」の愛称を持つ愛しい人へ、溢れる想いと甘い恋の語らいの時間を捧げる愛の歌。
カオナについて
ハワイのメレにおいて「pua(花)」は愛する人や大切な存在の象徴です。この歌に登場する「ロケ・ラウ(loke lau)」は、直訳すると「葉のバラ(leaf rose)」という意味を持ち、英語題の「Green Rose(緑色のバラ)」として親しまれています。
ハワイ文化全体の決まった象徴として「緑のバラ=恋人」という定義があるわけではありませんが、この楽曲の文脈においては、一見たおやかな緑の葉のようでありながら優雅な気品を漂わせる恋人(あるいは大切に想う人)を「loke lau」に喩えていると理解されています。
また、単に情景を描くだけでなく、愛する人と過ごす喜びや親密な想いが重ねられているため、多くのフラ指導者やダンサーの間で「甘い恋心や愛おしさを表現するラブソング」として大切に踊り継がれています。
訳詞
※歌詞の持つ世界観や感情のニュアンスを考慮した日本語訳です。
愛おしい緑のバラ(loke lau)へ捧げる、私の愛
その美しさは、最高峰に置かれるほど際立っています
ここに漂う甘い香りが
心を解きほぐし、心地よいひとときへと誘います
あなたとともに、心ゆくまで満たされましょう
恋の語らいを交わす、愛おしい時間の中で
あなたは私が愛する恋人
私の心が心底望む、たったひとつの存在
湧きあがる記憶、募る想い、愛おしい願い
それらはいつでも、あなたとともにあります
さあ、こちらへ戻り、身を寄せ合いましょう
いまこそが、ふたりにとってふさわしい満ち足りたとき
歌の語り残しをここに伝えます
あなたへと捧げる、愛おしい緑のバラへの愛を
象徴的なフレーズ
- Pua loke lau
ハワイ語の意味:葉のバラの花(英語で Green Rose)
具体的に指すもの:緑色の葉のような花弁を持つバラ、およびその愛称を持つ愛する人。
ハワイ文化の中での意味:ハワイの詩において花(pua)は愛する人を表す最も代表的な言葉です。
フラで表現するときに感じたいもの:自分にとってかけがえのない、たった一人の特別な存在を胸に抱くような愛着。
kaona:この曲の中において、一目置かれる美しい恋人を象徴しています。 - Kō ʻala onaona
ハワイ語の意味:あなたの甘く心地よい香り
具体的に指すもの:風に乗って届く花の匂い、あるいは愛する人が漂わせる気配。
ハワイ文化の中での意味:香りは記憶や引き寄せられる魅力を象徴し、相手の存在を身近に感じる引き金となります。
フラで表現するときに感じたいもの:風に乗ってふっと鼻先をかすめる甘い気配と、それに引き寄せられる胸の高鳴り。
kaona:目に見えない愛の魅力や、恋人が持つ親密な空気感。 - Hana noʻeau hoʻoipo
ハワイ語の意味:恋の語らい、愛を育む情愛深いひととき
具体的に指すもの:恋人たちがともに過ごす、甘く心地よい時間。
ハワイ文化の中での意味:hoʻoipo は「求愛する」「恋人として過ごす」ことを意味し、親密な愛の営みや愛おしい会話を指します。
kaona:二人の間だけに存在する、穏やかで満ち足りた情愛。 - E pili
ハワイ語の意味:寄り添う、ともにいる、結びつく具体的に指すもの:ぴったりと近くに寄り添うこと。ハワイ文化の中での意味:人間関係の親密さや、離れていたものが再び結ばれる絆を表す重要な言葉です。フラで表現するときに感じたいもの:重ね合わせた手が温もりを伝えるような、心身の近しさと安心感。kaona:物理的な距離だけでなく、心がひとつに重なり合う結びつき。 - Manawa kūpono
ハワイ語の意味:適切な時間、絶好の機会
具体的に指すもの:物事を行うのに最もふさわしいタイミング。
ハワイ文化の中での意味:自然のバイオリズムや時の満ち引きを重んじるハワイにおいて、「今こそがその時である」という満ち足りた感覚。
フラで表現するときに感じたいもの:ためらいや迷いが消え、今この瞬間の愛を素直に受け入れる喜び。
kaona:愛し合う二人にとって引き寄せられた、かけがえのない最高の一瞬。
歌の舞台と背景(表の意味)
歌詞に登場する「loke lau(緑のバラ)」は、ハワイ語で直訳すると「葉のようなバラ」を意味します。一般的な赤や白の華やかなバラとは異なり、緑色の花弁が葉と同化するようにひっそりと、けれど際立った美しさを放つ独特の花です。
ハワイにおいて花は、レイに編まれたり髪に飾られたりと、人々の日常や祝福の場に欠かせない存在です。風に運ばれてくる甘い香り(ʻala onaona)に誘われ、ふと足を止めてその美しさに見とれる情景は、自然の豊かな恵みと静かな安らぎを感じさせます。
この歌の表面に広がるのは、みずみずしい緑のなかで放たれる芳香と、その香りに包まれながら心地よい時間を過ごす、ゆったりとしたハワイの風情です。
言葉の奥に宿る想い(kaona)
表面的には「緑のバラ」とその甘い香り、そしてそこで過ごす心地よい時間を歌っているように見えますが、ハワイの伝統的な詩情(mele)の視点から紐解くと、この曲は愛する人への深く甘い感情を重ね合わせた美しいラブソングとして読み解かれています。
ハワイの文化において、「花(pua)」は愛しい人を、「香り(ʻala)」はその人が持つ特別な魅力や愛の気配を指し示す言葉として使われてきました。また、「hana noʻeau hoʻoipo」という言葉が示すように、ただ花を鑑賞するだけでなく、そこには恋人同士が静かに愛を語り合い、心を寄せ合う(pili)時間の愛おしさが繊細に描かれています。
華やかな色のバラではなく、あえて「loke lau(緑のバラ)」という控えめで珍しい存在を選ぶことで、周囲に誇示するような愛ではなく、自分にとっての唯一無二の存在への深い愛情を表現しているという解釈も、フラの表現において親しまれています。
多くのフラ指導者やダンサーは、この歌を踊るときに「身近にある大切な存在への愛おしさ」や「ともに過ごす時間の尊さ」を手先や表情に込めます。
観客に単に「緑色のバラ」の形を見せるのではなく、あなた自身が心に思い浮かべる大切な人——パートナーや家族、あるいは愛する土地や仲間——への温かな想いを重ねたとき、目の前の空気はどのように柔らかく変わっていくでしょうか。手繰り寄せる手線の先に、どんな甘い香りと温もりが広がるのか、ぜひご自身の踊りの中で感じてみてください。
※歌詞表現および確認できる文化的背景、伝承、一般的な解釈に基づく考察です。
歌詞の全文や公式な表記を確認されたい場合は、Google検索などで「Green Rose Hula lyrics」とお調べいただくことで、ライセンスされた歌詞資料をご覧いただけます。

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