作者・背景
- 作詞・作曲者: Helen Desha Beamer(ヘレン・デシャ・ビーマー)
- 制作年代・背景・経緯: 1920年代から1930年代にかけて作られた楽曲です。作者のヘレンが、ハワイ島ヒロの高台にあるピイホヌアに位置する友人ジェームズ・キモ・ヘンダーソン(James Kimo Henderson)の美しい邸宅「モアニケアラ(Moanikeʻala)」を訪れた際、その温かいもてなしと見事な庭園の風景に深く心を動かされて書き上げられました。スコットランドからハワイへ渡り、地元の名士として愛されたキモ氏への感謝と親愛の情がたっぷりと込められた、フラの世界でも不朽の定番曲です。
この曲の読み方(Kaona)
この曲には隠された裏の意味(カオナ)はなく、表面通りの情景や想いを歌った楽曲です。友人キモへの心からの感謝、彼の邸宅に咲き誇る豊かな花々、そしてそこへ集う鳥たちの情景を素真に称えた作品となっています。
日本語訳
ピイホヌアの山側の地に
花々が咲き誇る美しい花園
そこに私は目にしました
芳しい、数多くの花々の美しさを
山の鳥たちは夢中になります
黄色い目をしたイイヴィたち
花々の蜜の甘さに
緑豊かなモアニケアラに咲く花々の
愛する友よ、あなたに感謝します
訪れた客たちを迎えてくれたことに
ここにあなたへの忘れられないレイ
レイマカニ、芳しい香りのレイ
物語は語り継がれます
緑豊かなモアニケアラのことを
私たちが呼びかけます、どうか応えてください
山深い高地のキモ、その名を讃えて
意訳を含みます
言葉の奥に宿る想い(背景解説)
表面的に歌われているもの
歌の舞台となっているのは、ハワイ島ヒロの山側に位置するピイホヌアです。ここにはキモ・ヘンダーソン氏の広大な邸宅があり、その庭園には色とりどりの美しい花々が咲き誇っていました。邸宅の名前である「モアニケアラ」は「漂う芳しい香り」や「甘い香りを運ぶ微風」を意味し、まさに花々の香りが風に乗って漂う素晴らしい場所であったことが表現されています。
また、歌詞には「イイヴィ(ʻiʻiwi)」というハワイ特有の真っ赤な鳥が登場します。イイヴィが花の甘い蜜(wai)を求めて森からやってくる描写は、ヒロの豊かな自然と生命の循環を象徴的に描き出しています。さらに、後半に登場する「レイマカニ(Leimakani)」は「風のレイ」を意味し、キモの妻リディア・レイのハワイ語の愛称でもあります。家族や邸宅を取り巻くすべての要素が、美しく調和した空間として表現されています。
背景と情愛の解説
この曲には、ハワイアンソングによくある「政治的意図」や「自然の景色に男女の秘め事を隠す」といった複雑な二重構造のカオナはありません。
ヘレン・デシャ・ビーマーが手掛けた多くのメレと同様に、この曲もまた大切な人々への感謝、心温まるホスピタリティ(アロハの心)、そして素晴らしい土地の景観に対する素直な愛で満たされています。
なお、結びの歌詞にある「遥かなる山側のキモ(Kimo o ka uka ʻiuʻiu)」という表現は、邸宅が高台にあったことだけでなく、キモ・ヘンダーソン氏の生まれ故郷であるスコットランドのハイランド(高地)地方へのリスペクトを美しく重ね合わせた直球のメッセージです。裏の意味を探るのではなく、かつてヘレンがピイホヌアの美しい花園で感じた風の香り、鳥たちの訪れ、そして親しい友人と過ごした満たされた時間の温もりをそのまま素直に感じ取り、踊りで表現することが大切にされています。


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