ケアオメレメレ神話 第5回|黄金の雲の娘が託したもの

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ワオラニに集う、五人のきょうだいたち

マウナケアで雪の女神ポリアフと暮らしていたカハナイアケアクアは、ケアオメレメレの言葉に導かれ、再びワオラニへと戻ってきました。長く離れていた家族が、ようやく再会する時が訪れたのです。

雲の国で育ったケアオメレメレ。ワカに育てられたパーリウリ。そして、神々のもとで成長したカハナイアケアクア。さらに、カウマイリウラとカウラナイカポーキイも加わり、五人がワオラニに集いました。

それぞれ異なる場所で育ち、違う経験を重ねてきた彼らが、こうして一堂に会するのは初めてのことでした。

山を揺るがす、ケアオメレメレのフラ

その場でケアオメレメレは、これまで学んできたフラと詠唱を披露しました。

女神カポから教わった踊り。島々を巡る中で身につけた舞い。そして、雲や風、森や波の動きを映し出すかのような、そのしなやかな身のこなし。ケアオメレメレのフラには、彼女が過ごしてきた時間と、自然界の力が息づいていました。

彼女の詠唱とフラは、あまりにも力強いものでした。伝承によれば、その舞いによって、ワオラニにそびえるコーナフアヌイ山が裂け、山とワオラニの地が分かたれたといいます。それが、現在のヌウアヌ渓谷の地形につながったと語られています。

フラは、ただ美しく踊るためのものではありませんでした。神々や自然と結びつき、大地そのものを揺り動かすほどの力を持つものとして描かれているのです。

姉から妹へ、受け継がれるフラと癒やしの知恵

ケアオメレメレは、妹のカウラナイカポーキイにもフラを教えました。踊りの技だけでなく、薬草を用いた手当の知識も授けたと伝えられています。

踊りを通して自然の動きを知り、薬草を通して植物の力を知る。その二つの知恵は、カウラナイカポーキイへと受け継がれていきました。ケアオメレメレが持つものは、自分ひとりのために留められるのではなく、次の世代へと手渡されていったのです。

一方、カハナイアケアクアはワオラニに戻り、神官としての役目を果たす道へと進みました。パーリウリもまた、彼との関係に和解を見いだしたと伝えられています。離ればなれになっていた家族は、それぞれの場所と役割を見つけていきました。

黄金の雲の娘が残したもの

やがてケアオメレメレは、カウマイリウラを夫に迎え、二人で島々を治めるようになりました。長い年月ののち、彼らのしるしは空に残され、子孫たちへと伝えられたといいます。

頭から生まれ、雲に見守られながら育った娘。女神カポにフラを学び、島々を巡って舞い、その詠唱で山を揺るがしたケアオメレメレ。彼女の物語は、踊りの力だけでなく、知識を受け継ぎ、次の世代へとつないでいく姿をも描いています。

フラには、風の動きがあり、波のうねりがあり、森に吹き渡る空気があります。そして、その動きを見つめ、学び、伝えてきた人々の物語があります。

ケアオメレメレの神話は、そうしたフラの奥深さを感じさせてくれます。踊りの一つひとつに込められた自然へのまなざしや、受け継がれてきた知恵に思いを重ねると、私たちが舞うフラも、また違った表情を見せてくれるかもしれません。

黄金の雲の娘、ケアオメレメレ。その物語は、彼女が受け継ぎ、そして託したものとともに、今も語り継がれています。


※本記事は、ハワイに伝わる神話「ケアオメレメレ」の伝承をもとに、公開資料を参考に構成しています。原典の逐語訳ではなく、読みやすさを考慮して一部に情景描写を加えています。伝承には異なる形があります。

参考資料

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